私はこの本によって「やりたいことが見つからない状態」を克服できた。

 

私はこれまで読んだ本の中で、繰り返して読みたい本を5冊ピックアップし、暇があるときにその中の一冊を手に取り、気に入ったページを振り返ったりするのが好きです。1回読んだきりにしとくのはもったいない!という5冊を選んで、そうやって振り返るのですが、最近その中に新たに加えることになったのがこの『仕事は楽しいかね?』です。

 

これはすさまじい本でした。短いストーリーの中で少なくとも2回は雷が落ちる本です。(まあ物語は吹雪で閉鎖された空港が舞台なんですが)

 とにかくそれくらい衝撃的なんですね。何がそんなにすごいかというと、特にいろんなセミナーとか自己啓発の本で様々な「成功するために必要なのはこれだ!」とか「仕事ができる人はこれをやっている!」ということを教えられてきた人が、勉強してきたからこそ逆に忘れがちなポイントを突いてくるのです。

 

もちろん素晴らしい本やセミナーはいっぱいあるんですけど、この本が違うのは「あれをしなさい」「これしなさい」「こうあるべきだ」というように発想を制限するのではなく、「こういう道もあるよ」と発想を柔軟に広げてくれるところです。

だからきっと、読んだあと頭がやわらかくなりますよ。

 

そして何より読んでからの日々で役に立ってるのは、この本で出てくるアイデアの出し方です。

 

これまで、好きなことややりたいことがまず最初にあって、そこから行動に移していくものだと思っていました。なので、特にやりたいことがなかった自分は何をすればいいのかわからず、けっこう悶々としてました。しかし、どうやらそれは違ったようです。

 

日常生活の中で、思いついたアイデアをちょっと試してみることで、自ずとやりたいことは見えてくる。それこそがこの本を通して気づいたことでした。

 

”隠れたアイデアの見つけ方”の方法さえ知ってしまえば、誰でもアイデアマンになれるのです。そうして、自分自身のフィルターを通して見つけたアイデアこそが、実は自分の好きなことだったり、やりたいことだったりするのです。

 

その意味で、この本でアイデアの出し方を学んだことが「やりたいことが見つからない状態」を克服するのに大きな助けになったのです。

 

成功法則とか書いてあるような本って、やたら行動しろ行動しろ言うわりには、いかに行動することが難しいかを説いてるから、読み手を納得させることはできても動かすことはできないのだと思います。

この本は「行動する」みたいな曖昧で大げさなことは求めません。もっと具体的でもっと楽しい「ちょっと試してみる」を読み手に勧めます。小さくてもできることからやってみよう。そういう気持ちにさせてくれる本こそ、読み手を「動かす」本なんじゃないでしょうか。

 

是非、肩の力を抜いてこの物語を一読してみてください。次の日からちょっとだけ日常生活が楽しくなりますよ。

 

 

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)