中学の時の友人がMLMの勧誘してきて地獄
『ひさしぶり~ 今、物販事業ってのをやっててさー(笑)それで○○君も一緒にどうかなー?って思って』
中学の時の友達が何年ぶりかわからないほどひっさしぶりにLINEを送ってきたらこれよ。
いやいやいや、そんなやり方で食いつく人、この地球上にまだ存在するのかって。もう、他の惑星を当たってくれよと言おうかと思ったけど、ムズムズするくらいベタなやり方でその後も勧誘してきたから、逆に気になって話を聞いてみた。
そんで、承諾したとたんに、
『当日は、今一緒にやってるリーダーの〇〇さんが来て、一緒に話するって感じになるんだよね。』とか言いよるんすよ。何が楽しくて初対面の人とお茶しなきゃならないんだ。
そして『その人は月に80万~100万叩き出してるって人ですごく尊敬できる人。』とたたみかけてくるからもう完璧なテンプレート。出たよ出たよABC。
何か勧誘する上では2対1で挑むのが良いとされてて、ABCとは、AはアドバイザーでBはブリッジ、Cはクライアントという構図の最もポピュラーな勧誘方法。
Aは話し手としてセールストークの限りを尽くして饒舌にまくし立てる。それを、ブリッジであるBはC(私)の隣の席で熱心に聞き、リアクションとかとって、CがAの話をしっかり聞くように促す。そして気づいたらあら不思議、契約成立。
だから、このABCの構図に出会ったらどんな話で構えた方がいい。
今回のケースだと、中学の時の友人はBで、そのリーダーとやらはAだ。最初は中学の時の友人と懐かしい話でもしながら過ごしてると、遅れてリーダーとやらがやってくる。ヒーローは遅れてやってくるってか。これでもかというくらいテンプレである。
満を辞して登場したリーダーは、例によって例のごとくテンションが高く、声がでかい。めっちゃ目を見てくるし、めっちゃしゃべるし、そして声がでかい。
そうして、いかにも「成功してますぞ?我、成功してますぞ?」って感じで、今の日本経済がいかにやばいかと、一生サラリーマンでやっていくことのあほくささとか、どっかで聞いたことあるような話を機関銃のごとくしてくるのだ。さてはお前あれかブローニングM2か。
一通り「不安を煽るセクション」を撃ち終わったら、今度はいよいよ本格的な勧誘に入る。
話によるとその事業とやらはMLMの形をとっていて、海外のブランド品を安い値段で買う特別なルートがあるから、そこに会員のみんなでお金を出してたくさん買い付けて儲けよう。という話で、冷静に考えるとよくわからん事業だ。
その会員になるにはなんと30万円払う必要があり、もれなく10万円相当のバイナリーオプションの教材がついてくるそうな。
頭の中は「????????」だ。
『そうだよね、確かに30万円って金額は驚くよね。でもこれはやる気のある人を選別するためでもあって~』
いや、そこじゃねんだなー。そこじゃないんだなー。困惑してるのは。なんとういうかこう、怪しい儲け話をたくさん混ぜ合わせてスムージーにしましたみたいな。お手軽に混ぜりゃあいいってもんじゃなかろうに。
しかも恐ろしいのは、その紹介してきた中学の時の友人曰く、〇〇君も、◇◇君もすでにこれやってるんだよねーと、どうやら古い友人関係を中心に勧誘していて、すでにやっちゃってる友人もいたことだ。なんと残酷な。あの時の仲よかった〇〇や◇◇は30万円払っちまったのか…。今度、お花届けてやろう…。
もちろん、ひとり紹介するごとに紹介者に報酬が入る仕組みであるから、まさに古い友人関係が儲けるための手段と化すという状況を実感して悲しくなる。
そのあとも「最後の一押し」と言わんばかりに勧誘は続いたが、もちろんお断りした。断ってからというもの、その紹介してきた中学の時の友人はLINEでも「もう一度考え直してくれない?」と粘っていたが、それも断るとLINEの既読すらつかなくなった。
やっと手を引いたかとほっとした。でもいささか、複雑な気持ちである。